

みよこは、裏の竹やぶの中におじいさんを引っ張っていくと、湿った土から出てきているタケノコを指さしました。
「ほぉ、こんなところに」とおじいさんは言いました。
「でもさぁ、タケノコってとっくに、だってみよこのうちももうさんざんタケノコ掘りやって、お父さんがもう終わりだなって言ってたのに、まだ生えてくるなんておかしいなって思って、だから急いでおじいちゃんに見てもらわなきゃって」
おじいさんは笑って、「いや、みよこ、種類が違うんじゃよ、あっちのタケノコは少し前に中国から日本に入ってきた孟宗竹という竹じゃな」
「じゃあ、これは?」
「昔から日本にある真竹という竹のタケノコじゃ、だからきっとかぐや姫もこの真竹から生まれたんじゃろう」
「ふぅん、だったら、こっちのほうがホントだね」
「ホントも嘘もないじゃろうが」と言いながらおじいさんはみよこの頭を撫でて「だが、みよことじいちゃんがやってるのは日本の季節の区切り探しなんじゃから、こっちのタケノコに合わせたほうがいいのかもしれん」
二十四節気”立夏”の末候
『竹笋生(たけのこしょうず)』〜 五月十六日から五月二十日頃
※ おはなしのフルバージョンは仕立てとおはなし処Dozoでどうぞ(詳細はこちら)
※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら。
※ 『七十二候ものがたり』を音声でお聞きになりたい方はこちら。
引用元:竹笋生(たけのこしょうず)