
「やまないねぇ」とみよこが言いました。
「桜雨というやつじゃな」
「桜雨?」
「桜の頃は割とよく雨が降るんじゃよ、ほかにもやけに寒い花冷えとか風が強い花嵐とか、実は花見の時期はあまり天気のよくない日が…」
「おじいちゃん」みよこがおじいさんの話を遮って「聞いて」
言われておじいさんも耳を澄ますと、遠くから聞こえてきた音が、
「あれって、もしかして、雷?」
「おお、そうじゃなぁ、初めての雷が鳴るのもこの頃じゃなぁ」
「もう雷なんだ、春分の日が過ぎたら今度はもうだんだんと、夏?」
二十四節気”春分”の末候
『雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)』〜 三月三十一日から四月三日頃
※ 絵 / 鈴木其一
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※ 2018年、『七十二候ものがたり』を始めるに当たって綴った思いはこちら。
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引用元:雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)