Book002 ジョナさん 片川優子 講談社
著者が高校生のときに書いた、
高校生の日々のお話です。
書くことと、記憶しておくことは、
きっと密接な関係があるんだな、と思いました。
お友達と喧嘩をしたり、仲直りをしたり、
淡い恋に遭遇したり、家族や先生とちょとした溝みたいなものが生まれたり、
自分の可能性や未来に対して漠然とした不安を覚えたり……。
そんな高校時代に多くの人が経験し、
通るであろうポイントのようなものを、とても的確に捉えています。
私にも、もちろんそんな時代はあったはずだし、
経験してきたのだろうけれど、
自分の高校時代を思い出そうとしてみました。
体育祭や文化祭、部活なんていう
分かりやすい、といいますか、記憶に残りやすいものは、
ぼんやりと、なんとなく覚えてはいるのですが、
お友達との会話とか、喧嘩のきっかけ、
憧れの先輩のどんな仕草にドキドキしていたか、
なんてことについては記憶からこぼれ落ちてしまっています。
この小説を読んで、私にもそんな日々があったことを思い出し、
その一つ一つをきちんと記憶に、もしくはなんらかの形で残しておけなかったことが、
とても悔しくなりました。
あの頃のキラキラと、あの頃の漠然とした不安と戦うチカラを、
きちんと記憶にとどめていられたら、
もしかしたら、大人になった今の私が抱えている現実は、
もうちょっとマシなものになれていたのかもしれません。