森の朝と夜(最終日) | 物語の森

物語の森

立っているのは、森の入口
迷い込むように導かれて
出逢う
あなただけのrecord
光の糸で聴く
そこは、モノガタリの森




森を開ける。


まだ、眠っている森に近づいていきます。




皆さんをお迎えする前のギャラリーの扉に、朝の陽射しを受けた木立の影が映り、廊下いっぱいにやわらかい光があふれている光景……。


まだ誰も訪れていない、森が目を開ける前のこの空間を目にできるのは、鍵を開けるユウコさんとえみなさんだけの特権です。


この光景も、この日が最後だと思うと、えみなさんは光をまるごと抱きしめたいような気持ちになります。





まずすることは窓を開けること。


お客さまがいらっしゃるときは、窓を閉めてストーブを焚いているので、窓の外の景色は見えませんが、ギャラリーは木立に囲まれています。飛び交う鳥の姿や声が聞こえます。


タイムスリップしたような空間が夢のように残されているのです。
朝は、全ての窓を開け放ち、風を招き入れ、光を浴びた木々の姿を目にすることができます。





ユウコさんの描いたフクロウの絵の傍には、大きな木があります。

夕方になると、傾いた陽射しの加減で、木の影がフクロウの絵のまわりに落ちてきて、本当に森の中に羽根を広げたようになるのです。




(ユウコさんが送ってくれた写真)


初日にそれを発見したユウコさんは、興奮してえみなさんにそのことを教えてくれました。
陽射しがその角度になるのは、一日のうちで少しだけなので、目にすることができた人は、そんなに多くありません。


しかも夕焼けの時は、白い壁が茜色に染まるのです。
フクロウの羽ばたきが、森の中いっぱいに拡がってゆきます。


(ぜったい、夜は、絵から抜け出して飛び回っているよね)


えみなさんは、そう思っています。


***


最終日。

そう思うと、ひとつひとつ、目に焼き付けておきたくなります。


















きっと、今はすましているこの子たちも、夜は絵から飛び出して、思いっきり遊んでいるのだろうなあと思いつつ、えみなさんは、ゆっくりと歩きます。


窓を開けたままの、目を覚ましたばかりの誰もいない森。

お客様たちが入りだすころとは、違う顔をしています。










ユウコさんだけに、えみなさんだけに、語りかけてくる森の声。
その声に耳をすますことも、二人だけの特権です。


***


さて。




今日の朗読会&お絵かき会のために、ベンチをひとつこしらえました。


作ってみると、とてもいい感じで、もっと早く作っておけばよかったと、ユウコさんもえみなさんも思いました。




ここに座ると、「風」のコーナーから、「ともだち」コーナーのユウコさんの絵や大好評の「霧の森」の絵(正式なタイトルがあると思いますが、ぼくはこう呼んでいます)や「言葉の雨」が一望できます、すわりごこちもとってもいい。




ここに座って、絵やことばを見ながら、ゆったりしてもらいたかった人がたくさんでした。
特に前日の土曜日は、座っていただく場所もないくらい、大賑わいだったのです。

そういえば、美術館に椅子はつきものですね。次は最初から作っておきます。


***


今日の朗読会の主役は、ユウコさんと、えみなさんと、



ジャーン!

ユウコさんの手作りのライアーです。


合宿形式のワークショップで、木を切るところから始めるそうです。
できあがったライアーは、自分の子どもみたいに愛おしいそうです。

「風のライアー」という名前だそうです。
赤ちゃんを抱っこしているみたいですね。


***


準備ができて、一息ついていたら、カフェの奥さんが、奈良からの出店があると知らせにきてくれ、さっそくユウコさんとえみなさんは、庭にでかけていきました。







まるでお話の中のお菓子屋さんのようです! 
何から何まで、この地は絵になります。


***


ふたりで、ライアーの音響入りで最後までやるのは、初めて! という、ぶっつけ本番。




でも、


〈絶対うまくいく!〉


という確信があったので、ぜんぜん平気のユウコさんとえみなさんでした。


とはいえ、えみなさんは、まじめなので、ヴォイスヒーリングのワークショップと、朗読のカルチャースクールに一回ずつ行ったのですけどね。ちゃんと、「あめんぼあかいなあいうえお」もやりましたよ。

このときの話もブログに書こうと思っていたのにな♪


***




朗読会のあとは、おやつタイム。

物語の森で大好評を博した木の枝をくださった、セラピストの聡美さんが、木を伐採した畑で取れた八朔のケーキとクッキーの差し入れをしてくださいました!


ていねいに、クリスマスカラーのラッピングまで。

あんまり素敵で早くお配りしたくて、どっさりあった時の写真を撮り忘れてしまったので、これは分けたあとの残り(汗)


***


おやつのあとは、お絵かきタイム。
この日は、子どもがたくさん。



ひとり、おじさんがいます。しかも、やたら絵がうまい。だれだこれ。
そうです。てんちゃんです。ぼくと名前が似てますね。


てんちゃんのトモダチは、なかなか、強気な表情です。
えみなさんにちょっと似てますよね。



てんちゃんのタッチとは対照的な、やさしいタッチは、コツメちゃんのトモダチです。風のようなタッチです。コツメちゃんは、漫画家になりたいそうです。


「きみのトモダチ」を読んだとき、なかなか絵を描いてくれなかったけど、コツメちゃんに、こんなに素敵なトモダチがいると知って、えみなさんは、とっても誇らしい気持ちです。


ぼくより、ずっと男前だな。




ちいさいひとたちは、とっても思いのままです。しだいにエスカレートしていきます(笑)



おかあさんのトモダチです。




またまた、ちいさいお客様が来てくれました。グレースちゃんです。
グレースちゃんは、バイキンマンが大好き。





***


子どもたちが帰ってしまうと、ぱたりと静かになりました。


ユウコさんと二人でゆっくり話す時間。それは森からのプレゼントのようです。


印刷したブログをめくりながら、「てんけん」の記録をたどったり。
芳名帳をめくりながら、来てくださったお客様たちのお話をしたり。
お互いをほめあったり。
これからのことを話したり。

森とこの場所がどんなに素敵かを何回でも話したり。


長い道。


必要な時間でした。

なんて楽しかったのでしょう。

なんてたくさんのギフトをいただいたのでしょう。


そして、2015年を、この森で終えることができて、ユウコさんとえみなさんは、感無量です。





最後のお客様は、きゃらめるさんと、そのオトモダチ。

きゃらめるさんがオトモダチにも物語の森を味わってほしいと、おふたりのデートコースに組み込んでくださったのです。


きゃらめるさんは、三回も来て下さいました!

ユウコさんとえみなさんに次ぐ出席率です!

きゃらめるさん、さては下見ですね。次は、ここで個展ですね♪
ぼくたちも、応援しています。


***


森の夜。


お茶椀を片付け、ポットを洗い、ストーブの火を止め、電気を消します。


(また、明日。また土曜日ね。)

そう言って手を振った森が。

眠りについても、また目覚めてくれた森が。







まっしろ。


どこへ行ったのでしょう。


森は? 風は? トモダチは? 色は? ことばは? かいじゅうは? 愛は?


***

 
そう、今は、あなたの中へ。




ティン&あき


ご来場くださったみなさま、応援してくださったみなさま、ありがとうございます。


たくさんのお客様が集ってくださった「森の昼」も書きますよ。
番外編も。

ユウコさんとえみなさんのてんけんも、しばらく続く予定です♪


楽しみにしていてくださいね。





さらに追伸。

ユウコさんのごあいさつのブログです。 → ★★★