そういった、お互いがすごくわかるなって、
ギュンとくる人生の瞬間を、切り取って。
えみなさんは、短歌や、ワンフレーズや、
タイトルや、ポエムのような、その一瞬をあらわして。
わたしは絵でそれを。
見る人は、自分の物語を
自由に重ねられる隙間があるようなもの……。
それを、物語の森に閉じ込めるのはどうでしょう?(ユウコ)
同じワードや、何かものごとを、
ユウコちゃんは絵で、私は言葉系のもので、
おしゃべりするように、
おてがみこうかんするように、
よりそうように、
ならんでスキップするように、
別の次元でつくられたものが
同じ空間に並んでいる奇跡♪(えみな)
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第一回目のてんけんは、西宮市です。
まずは、笹倉鉄平さんのちいさな美術館へ。
ここは、えみなさんの大好きな美術館なんです。
鉄平さんの絵の前に立つと、音が聞こえてきます。
絵の登場人物たちに流れるコミュニケーションが伝わってきます。
言葉ではなく、心の交換というべきあたたかい流れが、こちらの心にも、五感の全てに聴こえてくる気がするのです。
それは、絵の中に描かれている人物のしぐさや、視線や、立ち位置や、まわりの光や風や花や木や土や建物や小物たちの細部にいたるすべてから、伝わってくるものです。
鉄平さんの絵の中には、とてもたくさんの人たちが描かれているものがあります。
ビーチで思い思いに過ごす人たち。街の通りを行き交う人たち。大きな広場に集まる人たち。
その人たちそれぞれの会話があり、生活があり、人生があります。
無理やりに画面に押し込まれたわけではなく、自然で違和感なく平和で、そのかけがえのない「一瞬」が「永遠」となって、どんなときにも息づいています。
しかも、特別でなく、ささやかな存在である誰もが、
「ひとりではない」
ことが伝わってくるのです。
画面の中に一人で描かれている人にも、家路を急げば待つ人がいることや、ひとりぼっちでさまよっている犬にも、しっぽをふれるご主人がいることが感じられるのです。
どんなに小さく描かれている人たちにも、その人の人生が伝わってきます。
そんな鉄平さんのちいさな美術館に、ユウコさんと行きたいと、えみなさんは想ったのです
この日の展示は、 「“時間”を描こうとした作品展」 というタイトルでした。
えみなさんは、2013年のユウコさんのカレンダー「時間を巡る冒険」の主人公、ぞうがめくんと12のお話がとても好きなので、「時間」というキーワードが含まれていることにも、ご縁を感じたのでした。
鉄平さんの美術館には、ささポチというわんこがいます。
ささポチに別れをつげ、ランチのお店へ。
西宮周辺には、ケーキ屋さんや、おしゃれなカフェがたくさんあります。
この日は、樋の池町にあるノイカフェで、やさしい味のカレーランチと、デザートをてんけんしました。
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そして、いよいよ、太田朋さんの「お守り展」です。
えみなさんは、太田朋さんが初期に描いていた、びよよ~ん、のほほ~んとした風貌の「ぼく」と、添えられた言葉が大好きで、本を買ったり、週めくりカレンダーを使っていました。
機会があれば、個展にも行きました。
初めて自分で買った作家さんの原画は、太田朋さんのものです。
なので、個展が開催されると知って、行きたい! と思い、その話をしたところ、ユウコさんも、太田朋さんが大好きで、高校生のころ、朋さんのイラストのノートを使っていたというのです!
あこがれの太田朋さんの個展。ドキドキです。
ウラン堂は、とってもおしゃれなギャラリーカフェ。
吹き抜けになっている一階がカフェで、二階がギャラリーです。
二階へと続く階段の両端に、すでに朋さんの全紙を使った大きな作品がタペストリーのようにかけられ、モビールが揺れています。
初期の太田朋さんのイラストは、シンプル線だけで描かれていました。今もそうですが、いつの頃からか色が加わりました。
それは、けっこうな強さの原色です。
今回、展示されていた大型作品の緑の山と赤い馬も、まるでアルタミラの壁画のような、素朴さと、存在と、息を呑むような原始のチカラを放っていると、えみなさんは感じました。
会場は、朋さんの大切な「お守り」でちりばめられています。
みんな、いつでも守られていて、そのことに気づいて、それを勇気に変えることができます。
ぼくのような、心の中にいるトモダチという存在も、お守りのようなものかもしれません。
今回の個展は、アーティストさんとのコラボ作品が多く、真鍮のアクセサリーや、陶芸作品などが多く展示販売されていました。
飾るだけでなく日常使うことができるもの。カバンに入れて持ち帰ることができ、いつも身につけておけるお守り。
ユウコさんとえみなさんは、自分たちにも使えそうな展示方法に釘づけです。
つみ木に描こう。モビールを吊るしてみよう。じゃばら本にして飾ろう。
ユウコさんの絵とえみなさんのことばを、どんなふうにコラボするか。どんなふうに魅せるか。
そんな想像がどんどんふくらみます。
太田朋さんの展示は、とっても刺激になり、たくさんのアイデアが湧いてきました。
「わたしたちって、天才!」
そして、在廊されていた太田朋さんとも、たくさんお話できたのです!
今回のDMに使われた、作品展のきっかけとなった、木の彫り物のこととか。
なぜ、数字の8が好きなのかとか。これからの個展のこととか。
とっても気さくで、やさしくて、誠実で、かわいらしい声の太田朋さん。
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たくさんのインスパイアを胸に、ウラン堂を後にして、ユウコさんとえみなさんが向かったのは夙川沿いです。
川風に吹かれて散歩しながら、小さな木陰をみつけ、並んで腰をおろし、忘れないように、浮かんだアイデアをメモしていったのです。
こんなふうに、第一回目のてんけんは終了しました。
まだまだ、物語の森は、ずっと先で、余裕~のふたりです(笑)
てんけんの合言葉は、
「わたしたちって天才!」
ティン






