朝、目が覚めるとそこは見覚えのない部屋だった。





俺は22歳。大学を卒業したばかりだ。






小島県に着いたのは昨日の夜。会社に顔をだし、新入社員としての挨拶を済ませたあと、飲みに行ったのを思い出した。






歓迎会というのは名ばかり。歓迎されているのか、説教されているのかわからない。とにかく俺は髪型をいきなり注意された。





初出勤である今日、4月2日。





1年前だったら間違いなくこんなに早起きはしてないだろう。





時間は5:00。思わずふざけろと心の中でつぶやいた。





同期として働くのは、俺を含めて3人。






一人はロンゲ。もう一人は真面目くんといったところだ。





ここでロンゲに注目したい。なぜか足にギブスがついている。





実に興味深く、聞いてみたかったのだが、とりあえず無視した。





初出勤はなんでこんなに気が重いのか。





学生時代は4月といったらクラス替えなんかではしゃいでいたのを思い出す。





とりあえず、うちの会社では指導係がつくことになっているらしく、適当な俺はそのことに今日初めて気づいた。




なんて面倒なシステムだ。




指導員である、近藤さんと挨拶を交わしたあとは、お偉いさんの話を聞く時間である。





初日は眠気との格闘だったとしか覚えていない。





家に着いたのは18時。






なんて早いんだと感動したが、どうやら最初の3ヶ月は残業代がつかないため、仕事をするわけでもないので早く帰されるらしい。





まあ、とにかく3ヶ月は早く帰れるのだったらいいかと、気楽に思っていた。




そのとき電話が鳴り始めた。




着信画面には近藤さんと表示されている。





さっそく呼び出しである。





俺は着替えて、同期と一緒にタクシーで集合場所にむかった。





連日の飲み会である。





しかし、今日は年次が若い方しかきていない様子だ。




近藤さんに挨拶をしたところ、今日は若手の歓迎会らしい。




昨日のおじさんを相手にした説教会よりはマシだ。





飲まされることはなかったが、自主的に飲んだ。






言っておくが、俺は酒が大好きだ。






ビールをひたすら飲んだところで緊張もとけ、先輩社員たちと会話を交わす。




思ったよりいい人ばかろだ。





同期のロンゲを見てみる。





あいつは緊張している様子で、動きがロボットのようだった。




思わずにやけてしまった。





真面目くんはどうやら女性に人気らしく、周りには女性が集まっている。





なかなか羨ましく思ってしまった自分がいたようないなかったような。





そんなこんなで飲み会も終わり、解散後は新人は帰宅させられた。





とにかく小便がしたかった俺はトイレに駆け込んだのを今でも覚えている。





それだけ俺は小便がしたかった。





ダンボールに囲まれた部屋はなかなか孤独感を煽るには抜群の雰囲気を出しており、そのなかで俺は眠ったのであった。