放課後になると部長によるスカウト合戦がはじまった。
俺は前バスケやっていたからバスケ部に入る気なのだが....

「バスケ部のスカウトが何でこないんだよ....」

「まぁまぁ、そうイライラするなよ」

バスケ部が来ず、何でサッカー、野球、園芸部からスカウトが来るんだよ!?
どう考えてもおかしいだろ!!

「くそぅ.....こうなったら自分から行ってくるわ」

俺は体育館に向かった。
何でスカウトが来ないんだよ...

『こんなんじゃ試合に間に合わないぞ!』

体育館近くから声が聞こえた。
一体なにが起きているんだ?

「明日がバスケ部の最期をかけた試合なんだぞ!? なのにこんなんじゃバスケ部は廃部になるんだぞ!!」

廃部.....確かバスケ部は人気があって、とても盛んって聞いたはずなんだけど.....

「あのぉ.....」

情けなさそうに顔を覗かす。
正直怖いからできればみたくはないけど.....

そこをみて驚いた。
部員は5人。 顧問も1人。
一体なにが起きているんだ!?

「ん? 仮入部ならやってないぞ?」

「俺、スポーツ推薦の....」

「あぁ、君が噂の....残念だがバスケ部は諦めてくれ」

「俺を試合に出させてください!」

「は? もうバスケ部は....」

「勝てばバスケ部はあり続けるんんですよね?」

自身はなかったが、こうでも言わないと入部できそうになかった。
どんな経緯でこうなったかは知らないが....どうにかして見せる。

「.....テストをしよう。ここの5人と1vs1をやってもらう。
全員に勝てたら試合に出させてやる」

「分かりました」

俺はバスケボールを受け取ってアップを始めた。
今日は調子がいい方がいける...気がする。

「本当にいいんですか?」

「いいんだよ.....お前ら負けたらグラウンド5周8分な」

「えー!?」

「文句があるなら勝てよ?」


俺もアップが終わって、受験でなまっていた分が戻ってきた。

「では、1戦目....開始!!」

俺は一気に走ってスピードをつける。
相手まで5、4、3、2.....
ギリギリ相手の近くまで行って横に飛ぶ。
案の定相手は反対方向に飛んだ。

「1年生の勝利!」

まぁ、こんなもんかな?

「次、2戦目....開始!!」
という感じに、結局5人に勝てた。
あんまり本気出せないんだけどな.....

「約束だ。 お前を今度の大会に出させてやろう」

これで俺の部活が決まった。
そう言えば他のみんなはどんな部活やってるのかなぁ.....


ーーーーーー
その頃の尚人

「え!? 演奏に参加ですか!?」

僕は吹奏楽部を見にきたのだが....

「いいじゃねぇか。 お前、結構上手いし、ユーフォが二人いないんだよ。 頼むよ」

頼まれてもなぁ.....
とりあえず譜面を見せてもらった。
宝島か.....意外に面倒だけど吹けなくはない。
やるかな?

「いいですよ。 あんまり上手ではないですけど、頑張ります」

その後すぐに合奏にはまって演奏した。

さすが、高校の吹奏楽部だと思った。
合奏になんとか参加するのが精一杯だった。
学校の中ではうまかった方だが、高校では通用しないのがひしひしと伝わった。

「これで今日の仮入部は終わります。 皆さん自分の使った楽器を片付けて先輩に返してください」

もう終わりかと思って片付け始めると、「君はまだ楽器を片付けないでね」と言われた。

一体何をする気なんだろう....

仮入部の生徒は帰って、残るは在校部員と顧問の先生と僕だけになった。
これから反省会か?

「では、これから合奏を始めます。 そこの君も入ってね」

俺も席に座った。もしかして部員扱い?

「まず、基礎合奏から。 君は横の先輩のを見せてもらいなさい」

という感じに2時間の合奏に参加して、疲労がピークの時に合奏が終わった。

みんなもう帰っているのかなぁ....

ふと外を見てみると、彩香が外にいた。
まさか誰か待ってるのか?

「新入生くん? 彼女を外に待たせるなんて罪作りな男だねぇ」

いきなり横に見知らぬ先輩がいてびっくりした。
いつの間に居たんだ!?

「いいじゃない。 彼女のいるのは誇れることだよ?」

「いや、そういう関係じゃ無くてただの友達ですよ!」

「へー、入学早々女友達とは....自分やるねぇ」

「そうじゃなくて!.....」

俺は誤解を解こうとしたが、一切聞き入れず、笑ってあしらわれてしまった。
彩香のことは..... あれ?僕もなんかわからなくなってきた。

「まぁ、詳しいことは明日聞かせてよ」

「お疲れ様でした」

俺は玄関に向かった。
彩香はもう帰ったかな?

玄関に行くと、まだ彩香がいた。
一体だれを待っているんだろう.....

「彩香ー! 誰待ってるの?」
朝学校に行ってみると、萌が自分の席で本を読んでいた。
萌って本が好きなのかなぁ....

「萌さん....だよね」

なんか他人行儀で嫌だが、これでないと話しづらい。
俺ってヘタレだなー

「え!..... そうだよ...」

相当驚いたらしい....俺ってそんなに怖いのか?

「そんなに驚かなくても....食べるよ?」

冗談で言ってみた。このセリフは俺がいうとキモいな....

「えっ.....痛いのは嫌だよ...」

なんでこの子は上目遣いで、しかも涙目でこんなことをいうのだろう......
しかも顔を赤くしてるし...

「樹ー!....お取り込み中だった?」

!? いつの間に尚人が!
しかも彩香もいるし....

「萌に何してるの!?」

焦って入る彩香、ニヤニヤしている尚人、そしてものたりなさそうな萌.....
俺こんなんで生きていけるかなぁ.....


授業が終わってお昼になると、俺たちは屋上に向かった。
高校のお昼と言ったら屋上だろ!

『屋上は立入禁止、入ったものを退学とする 校長』

ですよねー。

「どうするの?」

「んじゃぁ中庭に行くか」

うちの学校には、生徒の憩いの場として中庭がある。
とりま行く価値があるな...

「まぁ、ここで食べるよりはましか」

俺たちはとりあえず中庭に向かった。

「そういえば、みんな弁当か?」

「私はお弁当だよ」

「彩香もだよ」

「僕も弁当だよ」

やっぱお弁当だよなー。
俺は親が朝苦手だから買い弁なんだよなー....

「お? あれか?」

近くに行くとガラスに囲まれた自然空間、中庭だと分かった。

「へー、この学校にこんな場所があるんだー」

「え? 学校探索でここ通らなかった?」

「学校探索は....頭が働いてな買ったんだよ」

俗に言う脳が寝ているか....良く体が動くなぁ

「それより早く食べようよー、彩香もうお腹減ったー」

「んじゃぁもうここで食うか」

俺たちは円になって座った。
みんなどんな弁当なんだろう...
みんなそれぞれの弁当箱を開けた。

萌のは、綺麗に敷き詰められていて、The 女子弁って感じだった。
尚人のは、豪華だった。
鯛の塩焼きに、数々のおかず....おせちと勘違いするくらいだった。
彩香は...ん?

「開けないのか?」

彩香だけ開けていなかった。
なんでだ?

「私のは.....見せたくないかも」

「なんでだよ。 お前は普通に弁当なんだろ?」

「だって....地味だもん」

最終的にしまってしまう彩香。
そんなに隠すほどなのか?

「.....自分で作ったんでしょ? 見せてよ」

尚人が言った言葉で理解できた。

萌は可愛いものとか作るのが得意(推測)
尚人の家は金持ちで弁当ももちろん豪華。
彩香は.....

「....みんな笑わないでよ?」

彩香は弁当を開ける。
中身は.....

「.....普通だね」

「可もなく不可もなくて....」

「結構いい出来じゃん」

え!? 尚人だけ意見が違うぞ!?
なにを根拠にいいんだ?

「でしょ! あの一件の時はどうなるかと思ったけど.....」

「あの一件って?」

『なんでもないよ』

なんで二人でハモって言った....

「はぁ....もう早く食べようぜ?」

もうお昼を半分食べた俺が言えないが、もうお昼は半分すぎていた。

「そうだね! ....樹くんのお弁当はお肉が多いね」

「あぁ、肉がいっぱいの方がいいだろ?ニックリ(ニッコリ)できるから」

シーン......

渾身のボケは高校では通用しないらしい.....悲しい運命だ。