宮城県仙台市若林区新寺1丁目4−31
横横家
ラーメン(硬め・普通・多め)
きくらげブレンド

 【横横家】は、宮城に、仙台に、【直系由来の家系ラーメン】をもたらしたお店です。2014年10月オープンと、仙台でも10年以上の歴史があります。
 
 また、【TRY〜東京ラーメンオブ・ザ・イヤー〜】で、優秀賞に輝いた実績もある、実力店です。

 今は、仙台店だけが残りましたが、横浜時代からの根強いファンも多い印象です。先に書いておきますが、"その時代"のイメージだけを追って、今の【横横家】のラーメンを食べてしまうと、「あれ??」ってなっちゃう人が多いかもしれません。ただ、昨今の【家系ラーメン】のトレンドも踏まえた調整がなされており、【硬め・濃いめ・多め】にすると、やや"それらしく"なるかもしれません。

 いろいろなピンチを乗り越えながらも、10年以上、仙台で、本格的な【家系ラーメン】を、それも、徐々に仙台に合わせながら、そして、そのうえで"横浜家系"として精巧な方向性に調整しながら、続けておられるのですから、僕個人的には、応援したい"定点観測店"の一つです。


 【横横家】の【ラーメン】、見ていくことにしましょう。僕は、この【きくらげブレンド】を合わせるところまでが、何となく、僕個人のデフォルトになっています。

 いつものように、トッピング、麺、スープ、と、それぞれ見ていきます。

 先に書いておきます。職人技全開で、タイトな人数で回されていますので、混み合う時間帯(ランチピークタイム、土日祝日など)は、お時間のない方は避けた方が良いと思います。ゆっくり落ち着いて、美味しい家系ラーメンを味わいたいというスタンスで訪問できれば、焦ったり、イライラすることなく、楽しめると思います。美味しいのは間違いなく美味しいアベレージが高いです。

 トッピング。

 家系ラーメン、ひいては、醤油豚骨ラーメンの基本線に沿ったラインナップ。薬味のネギ、海苔3枚、ほうれん草、チャーシュー、の、構成。僕は、ここに、【きくらげブレンド】をよく付けます。メンマ的な食感要員のトッピングがあると、僕は、何かホッとする人なのです…。

 薬味のネギはやや多めで、鶏油と合わされば、ネギ油風にもなって、良いアクセントです。

 海苔は、色味は薄く、ちょっと透けているような形状ですが、海苔の磯の風味感、スープへの溶けにくさ、海苔のパリッと感、は申し分のないクオリティです。今、海苔は、不作が続いており、なかなかラーメンにバランスの合う海苔の選定は難しいと推察されますが、その中でも、【横横家】は工夫されている方だと思います。

 ほうれん草は、緑の彩りが良く、食感、甘みともバランスの良い、鮮度感のあるものでした。スープのベースの醤油とほうれん草が、絶妙に合っているんですよね…。

 チャーシューは、燻製チャーシューで、脂身が主張しない部位を使用されています。スープに影響を及ぼさない、爽やかな薫香が、大人味な美味しさです。

 きくらげブレンドは、白きくらげと黒きくらげの合わせ。白きくらげの独特なソフトな食感と黒きくらげのいつものコリコリ食感の融合が見事です。

 さて、ここで卓上調味料について、あっさり。ラーメン酢とラーメンコショー、卓上アイテムとしては、紅生姜、豆板醤、ニンニク、胡麻、と基本的なものはそろっています。

 グリーンニンニクではないですが、すりおろしのフレッシュめなニンニクが卓上にあることで、後半の、【家系ラーメン】のスープにおけるアクセントになってくれます。

 麺。

 【島金製麺】の麺箱がありました。

 この麺のパートナーが見つかったことが、【横横家】にとって大きな転機になったのではないか、と思います。

 麺肌の白い中太麺。コシと弾力性がしっかりあって、"麺硬め"で注文してもしっかりとしたモチモチ食感が好印象です。

 小麦の旨味や風味はバランス良く、しかし、よく噛んで食べれば麺から小麦の甘みが広がる、かなり、【家系ラーメン】にピッタリハマった感じの麺です。

 この麺が決まったからこそ、従来の醤油の効いたかえしの方向性に、味を持っていけるようになったのかなぁ、という気もします。

 スープ。

 家系豚骨スープです。しっかり本日も、骨のコンディションを見極めながら、ガラの出し入れをしっかりされていました。

 【横横家】のスープは、鶏も豚も、しっかり旨味を抽出しきるスタイル。旨味はバッチリ出ていますが、ガラのコンディションの見極めはしっかり職人技を効かせてやっているので、スープにどことなくきれいな透明感も共存しています。

 しっかり力強い豚骨スープのパンチと、鶏の優しくも旨味の乗った風味が、ベースの醤油に乗って、麺とタレと油、スープ、をバランス良くまとめます。

 醤油は、【島金製麺】の麺になる前はだいぶ醤油感を落としていましたが、【島金製麺】の麺になってからは、割としっかりした醤油感になった印象です。ただし、宮城・仙台の地域性に合わせて、醤油カドや塩カドは丸みを持たせた仕様で変遷していまして、僕個人的には、今の【横横家】のラーメンは、【仙台家系ラーメン】と言えるくらい、本格的な家系ラーメンと地域性がうまく掛け合わさっているように感じます。

 仕上げ油は鶏油ですが、この鶏油は、品質を維持するべく、一時は、【油多め】を止めてでも品質を守った、こだわりの逸品。優しい中にも力強い旨味が、全体にしっかりとしたコクを生んでくれます。

 【横横家】の【ラーメン】、【きくらげブレンド】をトッピングして、大変美味しく頂きました。

 僕は、【横横家】の【ラーメン】は、麺料理として完結しているタイプの【家系ラーメン】である、という理解でいまして、基本的には、ラーメンだけで満足できる仕上がりになっていると思います。

 逆から言うと、ご飯モノは、ご飯モノで完結していて、ラーメンを食べながら、間にご飯モノを挟んで食べるような、"合わせ食べ"に向いているような構成かなぁ、という認識で捉えております。たぶん、スープをおかずにしたり、スープにご飯を入れ込んでの"ラーメンライス"には不向きな気もします。これは、あくまでも個人的な理解ですので、基本的には、自由に、美味しくラーメンを楽しんで下さい(笑)。

 また、時間に余裕のある時に訪問するのが吉です。味のアベレージは間違いなく高いです。美味しいのは間違いないので、無理なく、細く長く、続けてほしいなぁ、と思います。


麺:島金製麺の麺箱。コシと弾力性がしっかりあるモチモチ系の中太麺。小麦の旨味や風味はバランス型ですが、しっかり香り立つ美味しさがあります。
スープの方向性:家系豚骨スープ。しっかりガラのコンディションを見極めながら、骨の出し入れがしっかりなされていました。
タレ:醤油かえし。醤油感はバリッとしていますが、カドは丸みがある印象。
油:香り高い鶏油。