通夜が終わると

その日の晩は、父のお線香の見張り番。

次の日まで、お線香の火を絶やしてはいけないらしい。


ここのホールは大きくて

親戚一同、ここに泊まることに。



父の眠る、隣のスペースには
広い和室、お風呂もあるし、布団、バスタオル、歯磨きセットはもちろん、juiceサーバーは飲み放題。


設備は完璧。


そのうち、親戚達は
父の話しをしながら
呑み始めた。

時には笑い

時には泣き


こんなに惜しんで貰えて
父も幸せな人だ。


遠方から、皆さんには来て頂いていたので、頃合いを見て休んでもらい

母も体が丈夫な方ではないので、お線香は私と弟に任せてと、寝るように言った。

と、言っても
このお線香

16時間は消えないそうです。

万が一、寝ちゃっても大丈夫(汗)


皆が寝静まり

静かになった部屋に
眠る父。


父の前に、椅子を持ってきて

一人、父と一杯だけお酒を飲んだ。



本当に、死んじゃったんだね…





すると、弟も椅子を持って入って来た。


○弟
「俺も、一杯。」



二人で、父を前に


私達が、まだ幼かった頃の父。

色んな所へ連れて行ってくれた時の父。

結婚式の時の父。

闘病中の父。


延々と、父の事ばかり話ししていた。


不思議と、二人とも涙は出なくて

父と三人で、思出話をしているような…。



父の笑い声が聞こえそう。


いつの間にか

午前4時。


○弟
「姉ちゃん、少し寝ろよ」
○私
「いいよ、あんたが少し休みなさいよ」



お互い、父の側が離れられない。



お線香は、消えないのに。


想いは
弟も、私も
同じ。




この後

父の身体は燃やされてしまうから…。







出来るだけ長く
お父さんのそばに
居たかったんだ…。