2008年2月10日―

寒い。

冷えきった空気さえ気持ちいいと思える程の青空。

今日も、父に会いに行く。

ヒゲを剃ると言うので
鏡を渡した。

父は、鏡に映った自分の顔を見つめる。

痩せて、痛みで刻まれた眉間のシワを触りながら

○父
「意地悪爺さんの顔みたいだな…」


と言いながら、正面、左右と鏡の中の自分を見る。


○私
「痛いのなければ、もっと優しい顔だよね。」

○父
「そうだよ~。お父さんは病気じゃなければ本当は優しいんだよ。」


…って。





あなたは、自分自身がどんなに辛くても

周囲に気を使い



優しい人でしたよ…。






起き上がる事の出来ない父は


鏡を傾け、窓の外を鏡越しに覗いた。

そこには、病院の駐車場が見えた。

○父
「ああ、あの車そうだろ?」

私は、病院に行く時は父の車で通っていた。

鏡に映った自分の車を見て

嬉しそう。





そして


鏡を更に傾けて


空を映す。



○父
「いい天気だな」











いい天気だったね。
本当に、どこまでも続く青空が


綺麗だったね。







父の見た




最後の




鏡越しの


青空…