放射線治療が始まった。

一回の治療にかかる時間は、ものの5分程度。

本人曰く、痛みや熱さなどは感じないと言っていた。

起き上がることさえ困難になっていた父。


どうか、痛みだけは取り除いてあげたい。


もはや、この治療も

完治を目指すものではなく
残りの人生の苦痛を、少しでも和らげようとするも
の…。


もう父には、効果的な治療を受ける程の体力が残っていなかった。


抗がん剤も、強いものは使えない。


正月が明けてから、痛みと戦う毎日。


気が確かな分、気が狂いそうだと


父は、もらす…。



夜が眠れない。



涙ながらに訴える。



私は



何も出来ない…。



この治療の効果を
祈ることくらいしか…。







不安と痛みの中

痛い体を起こして、食事をする。

食べているってことは
父は生きることを、諦めてはいないということ。


頼もしい。



そうだよね。
心が負けたらだめなんだ。



放射線治療が完了したら

父を

家に連れて帰ろう。






そして、父の笑顔がもう一度見たい。