手術後二日目―


父は、歩いていた。



左手も、動いている。


手術の効果の早さに驚いた。


ずっと、ベッドの上の生活だったから、歩くことを許された父は、顔色も良く、回復に向かっているかの様に見えた。


回復しているかの様に。。。



左側の自由を取り戻した。




しかし―





がん細胞は増えることを止めてはいなかった。。。




父と母は、廊下を腕を組んで歩いていた。


母は父を少し見上げ、優しく微笑んでいる。


何を話しているんだろう。

父も、そんな母に応えるように優しく微笑む。



そして、一歩、一歩

病室までの短い距離を、

惜しむかのように歩く二人を見て


もっと廊下が長ければいいのにと思った。



その日、病院を出ると―



母は、涙を浮かべてこう言った。




もう、お父さんと腕を組んで歩けなくなるかもしれないね。。。



いつまで、一緒に歩けるかな。。。





もうすぐ、クリスマス。
サンタクロースが本当に居るなら、
二人に時間をもう少し下さい。。。