鎌田實 著 安藤俊彦 画
ピーターバラカン 英訳
集英社 2011.8.31
パレスチナ難民のアハメドは,友人のパーティに行くためのネクタイを買いにお店に出かけていくところを,イスラエルの狙撃兵に銃撃された。
アハメドは,イスラエルの病院に運ばれ,脳死状態となった。
アハメドの父は,悲しみや怒りを横におき,アハメドの心臓や肺,腎臓を,敵国であるイスラエルの人々,多くは子どもたちへの臓器移植を承諾した。平和の願いをこめて。
アハマドから心臓をもらった少女サマハは,アハメドに感謝し,医者になることを目標としている。
アハメドの命のバトンはイスラエルの子どもたちにつながっている。
蒲田さんの強い思いが,どのページにもあふれていて涙がでました。
刊行されたのが2011年,あれから13年たってパレスチナの現状はどんどん悪くなっている。
心臓をもらったサマハが,見事お医者様になって,パレスチナの子どもたちを救っていてくれたらなんて素敵なんだろうと思いました。
挿し絵も物語があっていいです。