稲と日本人 (福音館の科学シリーズ)

甲斐信枝 さく

福音館書店 2015.9.5

 

今から2千数百年前,水田で作る「水稲」が日本にやって来た。

一度作っておけば,いつまでもお米の作れる水田。

食べ余れば,2年でも3年でもとっておける,くさらないお米。

 

しかし,日本の独特な地形,山が多く,川は短い。

山を切り開き棚田を作り,水不足に苦しむ平地には,トンネルで水を引く。

せっかく育っても飢饉がおそってくる。

 

いかにして日本人が稲作とむきあってきたのかを

精密な力強い絵で描いている。

 

甲斐さんが十数年の時間をかけてかきあげた大作です。

情熱に頭が下がります。

まだの方,ぜひご一読を。力をもらえます。

 

彼岸花の咲いている頃,嵯峨野の田んぼ辺りにいたら

甲斐さんにお会いできる気がして,2~3時間,うろうろしたことがあります。

昨年11月に残念ながらご逝去されましたが,たくさんの絵本で

お会いできますね。