逆光という映画が今キノシネマでかかっています。
自主制作映画ということで,公開各地でトークイベントなどをひらき
監督もじっくりその地に滞在してプロモーションを行っていっているそうです。
映画は,70年代の尾道が舞台で,三島由紀夫に傾倒する大学生の2人の夏休みの10日間を描いたものです。地元の女の子2人も出てきて,いわゆる青春ムービーです。
尾道の海もきれいだし,女の子2人もすごくいいです。
脚本の渡辺あやさんは「カーネーション」のかたです。
私は完全にポスターにやられて,内容もあんまり確認せずに見に行ったんですが,
(陰な青年にやられがちです)
主演の須藤蓮さんが監督されてたんですね。びっくり。
場面転回で出てくる暗転の時間の長さに最初リズムを狂わされ,つまづく感じがあったんですが,あえて結末をはっきりさせない撮り方なので,途中からあの長い暗転が自分の中で考える時間になってて,かえっていいアクセントになってました。
その逆光のトークイベントにajiroに行ってきました。
登壇されたのは,須藤さん(監督・主演),渡辺さん(脚本),書肆侃侃房の編集者:司会,福岡映画部の方。
大入り満員で若い人も多くてうれしかったです。
「傷つけられたい」ってポスターのキャッチが気になってたんだけど,
不寛容や無理解にぶつかって,傷ついて,その傷が治ったときに自分の器が大きくなっているみたいなことをイベントでおっしゃっていて,そういうことかと思いました。
須藤さんの言ってることは,大筋分かるんだけど,頭良すぎて,時々自分の世界にワープしがち。頭の回転に言葉がおいつかない。早口なのに。(笑)
渡辺さんのナイスフォロー(通訳)が所々入ってました。
会の最後で,福岡映画部の女性のプロモーターの方が,仕事をしてく上でつらかったことを思い出されて泣かれたんですが,彼女の柔らかい若々しい心にこっちが涙。なんていい涙。
年を重ねて大概の不寛容,無理解も数多く経験し,私の心は鋼の鎧で武装されて,諦観を覚え傷つかなくなってたんだなあと気づかされました。
書肆侃侃房の編集者の方の司会を忘れた熱の入ったトークもつぼで大好きでした。
帰りに背筋が伸びるようないいイベントでした。
映画も面白いので見に行ってみて下さい。