竜崎伸也は、警察官僚(キャリア)、いわばエリート。
エリートは、"国家を守るために身を捧げるべき”なんて、
本気で考えているから驚きです。
周りはそんな彼を変人と称し、そう言われることに納得できない竜崎は
国家のために死ぬ覚悟で生きているにすぎないと話すのです。
本気で。
組織を揺るがす連続殺人事件に、竜崎はその信念を貫いて真正面から対決してゆく様を描いています。
吉川英治文学新人賞受賞作。
彼のお母様に勧められて読んだ本。
本の趣向が似ているので、お母様のおススメや意見はいつも参考にしています。
警察庁という私にしてみれば非日常的な場所が舞台でしたが、
とても読みやすい作品でした。
タイトルから想像できる捜査が本題ではなく、
竜崎の信念、正義、竜崎が考える家族を主に描いた作品なので、
ミステリーかなにかだと思うと期待外れかもしれませんが。
でもこういった作品はどこか新鮮に感じられたし、
警察の仕組みについても知ることができたし、
何よりも、この変人が本当に変人。
こんな馬鹿正直がいるの!?
と思うくらいその発言にはイライラさせられました。
息子のヘロインを見つけて警察の立場から自首を勧めたときなんて、
伊丹や上司が言うようにもみ消せばいいのにー
見なかったことにすればいいやんー
なんて思った私のほうが腐ってるのか!
エリート意識が強くて、
出世欲の塊で、
東大以外は大学ではない、
なんて言い切るのに、
そこには計算なんてなくて、
本気で国家のために、
正義のために身を捧げようとしているのだから、
最後にはとても共感が持てました。
正論とはこういうことか、と。
こんな人ばかりなら、日本ももっとまともになるのかなー
きっとこんな隠蔽なんて、
いっぱいあるんでしょうね。
個人的には、伊丹刑事部長の熱い現場主義と
その人間味のある人柄に惹かれました。
赤井英和しか想像できなかったけれど。
あと奥さんの冴子。
夫を支える妻はこうでなくっちゃ!
ねー![]()
