のんことBunkamuraで開催されている『薔薇空間 宮廷画家ルドゥーテとバラに魅せられた人々 』展へ。
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ氏は、フランス革命の動乱期に、マリー・アントワネットやナポレオン妃ジョゼフィーヌに仕えた宮廷画家で、「バラのラファエロ」と称えられた巨匠。
バラの魅力に取りつかれ、169枚の銅版画からなる「バラ図譜(Les Roses)」を完成させた。
ここでは、その全作品を見ることができる。
今回の展示は、ルドゥーテの作品展というより
「薔薇」自体が主役。
そう考えれば、微妙だと思っていた『薔薇空間』というネーミングがぴったりなのかも。
お花ではママと同じで薔薇が一番好きなのだけれど、
私がよく知っている、いわば一般的な薔薇の絵がないのが驚きだった。
その優雅な空間に足を踏み入れた途端に
ふわっといい香りが鼻を横切った。
最初は錯覚か、のんこが放つ香りかと思いきや、
ところどころで薔薇の香りが放たれていた。
なんて素敵な演出!
ピンク、水色、グリーンといった綺麗なパネルで彩られた空間。
それに掛けられた美しい額は、
収められた銅版画に合わせてあるけれど
主張しすぎていなくて可愛い。
絵が掛けられた中央の白い柵は、
薔薇のお庭を思わせる素敵な演出だった。
最初はその銅版画とは思えない表現力に圧倒されていた。
凛としていて、無駄がなくて、でもそれは様々な女性のようにも感じられる。
ボタニカル・アートながらも、描かれた薔薇にエロスを感じるものもあった。
ガリカ系の「オルレアン公爵夫人(ロサ・ガリカ・アウレリアネンシス)」
ケンティフォリア系の「百弁バラ(ロサ・ケンティフォリア)」、「ポンポン咲きバラ(ロサ・ポンポニア)」が印象的だった。ほかにも素敵な作品はあったのだけれど、覚えきれなくて…・・・ね。
足を進めていくうちに違いがわからなくなるは、
薔薇っぽさがなくなるはで、少し飽きてくる。
でも、きっとそのために工夫された空間なのだろう。
こういう細かく描写されたボタニカル・アートは、
もしかすると一気に展示されて見るよりも
手元に置いてじっくり眺めるほうがいいかのかも、と思った。
ただ、マリーアントワネットと同じ絵を見たと思うだけでも、
優雅な気分に浸れるのだ。
アルフレッド・パーソンズ氏のリトグラフ(版画)は、ルドゥーテの薔薇よりも生命力を感じる。
二口義雄氏の水彩画は、やはり薔薇といえども日本画っぽく、感情的なイメージ。
アーチ状に展示された斎門富士男氏の写真は、薔薇の表情を間近で感じることができる。
まさしく薔薇三昧。
今、思い返しても乙女でとても幸せな空間だった。


