NHKのワンダー×ワンダーという番組で岸和田だんじり祭を観た。
男たちが理想の「やりまわし」(約5トンの“だんじり”でコーナーを攻める)を求めて完全燃焼する姿に感動した。
出演者の山口もえが「かっこいい」と言って泣いていた。


俺は(岸和田は晩婚化とは無縁かもな)と思った。


日本は平和になった。
肉体労働の多くは機械化された。
サービス業の割合が増え、男でなくても稼げるようになった。
男たちがその“男性性”を発揮する場面の多くが失われた。
結果、暴力や過剰な性欲といった男性性のネガティブな面が際立っている。
男が女に「あなたを守る」と言っても今はあまり意味が無い。
現代では“法律”が国民の生命・財産を守ることになっている。
男には経済力が求められるようになったが、女はそれだけでは満足できない。


「やりまわし」なんて、ぶっちゃけ峠のドリフトと同じなのだが、
・地域社会に認められた(反社会的でない)行事であり、
・多くの人達が協力しないと出来ない。
大人数で一つの目標を成し遂げるには、役割を分担し、明確な命令系統を持った組織を作らねばならない。
その中で礼儀・規律を叩き込まれ、体力・精神力を鍛えられた若者が自信に満ちた男へと変容する姿を目の当たりにした者は、「かっこいい」だけでは表し切れない感動を覚えるだろう。
だんじり祭は、男を鍛え、男と女を結びつける優れた仕組みでもあるのだと思う。