仕事の後に父の日のプレゼントを
実家に渡しに行った。
夕飯を食べながら
楽しく会話してたんだけど……
母が最近、プチ家出をしたことを
知った。
父の発言で……
その言葉は、酷すぎるけど、
何より、今まで
父はそう思って生きてきてたことが
哀しくて、悔しくて
涙が溢れる。
27年前に私の妹が死んだ。
突然の出来事だった。
自殺だったので
マスコミにも取り上げられたりした。
当時、父は単身赴任中で、
私も寮に入っていた。
命は取り留めたものの、
変わり果てた姿だった。
私は前日は家に帰っていた。
妹にせがまれて、
友人の家に車で連れて行った。
妹は夏休みにその友人と
泊まりで遊ぶ約束をしていたらしく、わざわざ地図を渡しに行ったのだ。
その帰りに妹に言われた。
「お姉が、よく声をかけられるのは、モテるんじゃなくて、スキだらけだからなんだよっ。」
それが、彼女からの私への
最後のメッセージだった。
でも、めっちゃ笑いながら話してた。
まさか、翌朝に
学校から飛び降りるって
信じられない。
じゃあ、わざわざ
地図なんて渡しに行くはずがない。
結局、3日後に亡くなった。
本当に辛かった。
気付けなかった自分を責め続けた。
でも、当時は
両親のショックを考えると
私がしっかりしなくてはならず……
父は家の場所がわからなくなったり、
母は家から出られなくなった。
父は、単身赴任を辞め、
出世を棒に振って家へ戻った。
母は、家でやってた教室をたたんだ。
人に会うのが怖いと言うため、
私は夜になると、母を隣町まで
買い物に連れ出していた。
下の妹は小さ過ぎて
意味が理解できていなかった。
家族みんなで
辛いけど、乗り越えてきたのだ。
そう。それが家族。
なのに父が母に
「お前があいつを死なせた」
と数日前に言ったらしい。
…………。
泣ける……と言うより
涙だけが出てくる。
父の心の闇も、わからないわけじゃない。
でも、やはり
父も私もいない家にいた母は
誰より、自分を責めて辛かったに違いないのだ。
お父さん、それわかってなかったん?
妹に何があったかは
結局、何にも真実などわからない。
私は……
殺されたんじゃないか。
と今だって思ったりする。
でも、仕方ないじゃない。
それよりも
残された家族が仲良く、助け合って生きていくしかないじゃん。
父は
私の涙の攻撃に
「もう二度と言わない」
と誓ったが
母に謝るように言っても
謝らなかった。
母は呟いた。
「お父さんは謝らない。だって、そう思ってるんだから……」
大好きな両親だけに
涙がとまらない。