食育を学ぶとき、だいたい対象が児童中心となる資料に出くわすことが多い。
自分が保育園の栄養士をしていた事もあって目に付くだけなのかもしれないが、
パッとイメージに結び付く食育は保育園、小学校くらい。
幼少期が対象の食育は
「触る」「作る」「食べる」「感じる」「考える」
ことで知り、学ぶという形式が多い。
ある程度の年齢になると、考えるところに
「食料自給率」が絡んでくる。
①カロリーベースの自給率
②生産額ベースの自給率
があり、そこに食料国産率という指標もできた。
以下、農林水産省HPより引用した。
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カロリーベース総合食料自給率
カロリーベース総合食料自給率は、
基礎的な栄養価であるエネルギー(カロリー)に着目して、
国民に供給される熱量(総供給熱量)に対する国内生産の割合を示す指標です。
カロリーベース総合食料自給率(平成30年度)
=1人1日当たり国産供給熱量(912kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,443kcal)
=37%
分子及び分母の供給熱量は、「日本食品標準成分表2015」に基づき、
各品目の重量を熱量(カロリー)に換算したうえで、
それらを足し上げて算出しています。
生産額ベース総合食料自給率
生産額ベース総合食料自給率は、
経済的価値に着目して、国民に供給される食料の生産額(食料の国内消費仕向額)
に対する国内生産の割合を示す指標です。
生産額ベース総合食料自給率(平成30年度)
=食料の国内生産額(10.6兆円)/食料の国内消費仕向額(16.2兆円)
=66%
分子及び分母の金額は、「生産農業所得統計」の農家庭先価格等に基づき、
各品目の重量を金額に換算したうえで、それらを足し上げて算出しています。
食料国産率
食料国産率は、
我が国畜産業が輸入飼料を多く用いて高品質な畜産物を生産している実態に着目し、
我が国の食料安全保障の状況を評価する総合食料自給率とともに、
飼料が国産か輸入かにかかわらず、畜産業の活動を反映し、
国内生産の状況を評価する指標です。
令和2年3月に閣議決定された食料・農業・農村基本計画で位置付けられました。
総合食料自給率が飼料自給率を反映しているのに対し、
食料国産率では飼料自給率を反映せずに算出しています。
カロリーベース食料国産率(平成30年度)
=1人1日当たり国産供給熱量(1,129kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,443kcal)
=46%
生産額ベース食料国産率(平成30年度)
=食料の国内生産額(11.2兆円)/食料の国内消費仕向額(16.2兆円)
=69%
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要するに
カロリーベースは国内で生産された食料が国民のエネルギーをどれだけ賄えるか。
生産額ベースは国内消費額において国産商品がどれだけのウエイトを占めるか。
ということで、経済的には生産額ベースが重要かもしれないが、
我々一般庶民にはカロリーベースが重要となる。
なぜなら、もし輸入ができなくなった時に
どれだけの国民を賄えるかという話だからだ。
詳しくは下記の農林水産省のHPを見てほしい。
農林水産省HP:https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/011.html
そして今回私が思ったことについて。
子どもに食料自給率の話をするにあたり、食育の指導する側として
そういう結論に向かわせたいのか、ということ。
1.自給率が低いから農家(漁師)になりましょう。
2.自給率が低いから移民を受け入れ、それを管理するシステムを作りましょう。
3.自給率が低いから、一次産業の高齢化対策としてオートメーション化を推進しましょう。
4.自給率が低いから外国の輸入に頼るために、外国との関係を築きましょう。
というのが頭の弱い私でもすぐに思い浮かぶ。
自給率が低いから国産商品を使いましょう、では少子高齢化で国民減少していく中、
生産側が追いつかないという話にもなる(極論だが)
一次産業従事者になることを薦めるのは、
三次産業の教師としては他人事すぎるというか無責任な感じがする。
移民については賛否両論だろうし、
オートメーションも高齢化・従事者減少の対策であって、
自給率の向上につながる気がしない。
食育は学ぶ場を提供する、そのあとは個人が考えるキッカケになれば、
という少し無責任な答えになってしまう。
普段考えなかった食料自給率と一次産業について考えることになった。
改めて考えると、非常に難しい問題だ。
おしまい。