不安定な法定通貨

 円が160円を超えてきました。2年前までは120円以下だったので、2年前と比べて25%の下落です。

こんなに変動が激しいようでは、円はとてもではないですが、安定した通貨とは呼べないでしょう。

 それでは、円に対してこれだけ強い値動きをしているドルは安定した通貨なのでしょうか?

確かにここ10年は円に対して一貫して値上がりしたので、ここ10年間においては非常に安定した通貨と呼ぶことが出来るでしょう。基軸通貨なので納得です。ただし、今までは、、、。

 

 ドルは今後も基軸通貨であり続けるのか

 ドルはずっと基軸通貨だった訳ではなく1945年、第二次世界大戦後に基軸通貨としての地位を確立したとのことなので、ほんの80年位しかその地位を維持出来ていないのです。ドルの前はイギリスのポンドが、その前はオランダのギルダーでした。

このように基軸通貨は国力の強い国へと変遷していることを歴史が証明しているのです。

 アメリカは経済的に強く、世界に影響力を持つ国である事は間違いありませんが、近年その存在感が揺らいでいるように感じます。

 

 サウジアラビアがペトロダラー協定を更新しなかった?

 『ペトロダラー』という言葉をごぞんじでしょうか?日本では『オイルマネー』のほうが浸透しているかもしれませんが、これは原油取引がドルで決済されていることに由来しています。そのペトロダラーについての報道があり、衝撃が走りました。このニュースは日本では全く報道されていませんが、サウジアラビアがこのペトロダラー協定を更新しなかった。つまり、ドルのみでの決済を今後は行わないのではないかと報道が海外の1部のメディアで報じられていようです。

 

 

 通貨の歴史は浅い

 このように、基軸通貨を含めた通貨の歴史はまだまだ短く、最近になって通貨自体の問題点が次々と浮かび上がってきています。中央銀行の方針、国や政府の思惑に基づいて実質無制限に発行出来てしまう通貨が今後も価値を維持し続けることが出来るかどうかは、少し思考力がある方であれば、火を見るより明らかだと思います。