呉竹賞

小学校の6年間、ずっとクラスが同じだった女の子がいます。

家が近く、一緒に通学していました。

私は彼女が嫌いでした。性格が合わないのです。

ある日、図画工作の授業で、紙袋を使ったリュックサックを作ることになりました。
私は工作が好きだったこともあり、リュックサックのアイデアを練って学校へ行きました。

そのアイデアを、通学時に彼女に話してしまったのです。
彼女は私のアイデアを真似しました。
彼女は呉竹賞を受賞し、全校生徒の前で表彰されした。

私は彼女を憎みました。
私は男友達が多くいたため、男子に「あの子を一回殴ったら1ポイントね。一番ポイント貯めたやつは・・・」とけしかけました。

彼女は吐くまで殴られ続けました。

彼女には、本当に悪いことをしました。
あの時、自分が被害者になることが、私にはできなかった。
彼女をどうしても許せなかった。

彼女は社会人になるまで毎年、私に年賀状を出し続けました。
私は一度も返していません。
私のことなど、忘れてほしかった。