実にその所作が美しい力士だった。
大相撲が単なるスポーツ、勝負事だけではないことを、
相撲内容以外でも、
ひとつよく表していた力士であったように思う。
大相撲には伝統がある。
受け継がれてきたものがある。
単なる個性派力士、と片付けてはならない、
伝統を受け継ぐ貴重な力士ではなかっただろうか。
相撲の型も、
豊真将といえば、
右足を大きく後ろに引いたあの姿勢が印象的。
どうしても守勢に回ることが多く、
攻めの遅さを指摘されていたが、
近年はその欠点が解消されつつあったように思う。
右足を引くのは、足を揃えないということで、
師匠の教えを忠実に守っていたのではないかと思う。
師匠は本当に弟子に厳しい元寺尾の錣山親方。
めったなことでは褒めなかったと思うが、
そんな師匠が、最後に褒めていたのには、
ちょっとジーンとくるものがあった。
力士が引退するときは毎回残念になる。
ケガさえなければ、というのは言ってはいけないのだろうが、
どうしてもそう思ってしまう。
わがままかもしれないが、もう一度豊真将を見たかった。
残念。