目の前のことに一所懸命になりすぎると、

全体が見えなくなりがちです。

Yさんは仕事の処理は早いのですが、

雑でやり直すことがよくあります。

ある時会議用資料のコピーを上司に頼まれた際、

違う資料をコピーしてしまいました。

会議終了後、

上司から

「外に出て頭を冷やして来い」と

言われたYさん。

公園のベンチに腰掛け、

顔を上げると、

緑の木々が目に入りました。

四月には桜の花で満開だった公園が、

濃淡豊かな緑色で溢れていたのです。

Yさんはこれまでの仕事ぶりを振り返りました。

目の前の仕事をこなすことだけを考え、

全体を見ずに、

その仕事の意味さえ理解していませんでした。

これからは一つひとつていねいにやろうと

自身の取り組み方を反省したのです。

心に余裕がない時に、

植物や青空など自然に目を向けることで、

自らを冷静に見つめ直すことができます。

また、仕事の合間に深呼吸をしたり、

一日の最後に振り返る時間を持つことでも、

同様の効果を得ることができるでしょう。

多忙な時こそ冷静さを取り戻し、

より的確に仕事を行ないたいものです。