花火は夏の風物詩として、

日本人には欠かすことができないものです。

三百年の歴史を持つ国産の線香花火は、

着火から火玉が落ちるまでの起承転結があります。

その華麗な変化は

「柳」

「牡丹」

「松葉」

「散り菊」

などの相に分かれ、

「0・1グラムの芸術」

として海外からも高い評価を得ています。

徳川家康が日本人として

初めて花火見物をしてから百二十年後、

八代将軍吉宗は大飢饉と

コレラ流行による多くの死者を慰霊するために、

享保十八年五月二十八日に

水神際を隅田川で行ないました。

両国橋界隅の料理屋は、

同じ日に

「施餓鬼絵」の法要を営み、

花火を打ち上げました。

それが「隅田川花火大会」

の始まりと伝えられています。

日本の花火には、

納涼や娯楽と共に、

慰霊と復興を祈る歴史と文化が受け継がれています。

今年の夏も、

東日本大震災による犠牲者への鎮魂と、

日本復興への祈りを込めて、

全国各地で花火大会が催されます。

職場でも家庭でも、

慰霊と復興の願いに燃える夏にしていきましょう。