阪神・淡路大震災から、

十七年以上の歳月が流れました。

被災者のYさんは、

今も

「スイッチを押すと部屋の明かりがパッとつく」

「トイレの水洗が勢いよく流れる」

「栓を押せばガスの炎がパッとつく」

といった当たり前の出来事に、

「ありがとうございます」

という言葉が口に出るそうです。

そして

「当たり前の日常が当たり前に続くことは、

それだけでとても嬉しく、

ありがたいことなのです」

とも言っています。

当たり前に慣れてしまうと、

感謝や感動を忘れ、

失ってからその存在の大きさに気がつくのです。

健康な体、

豊かな自然、

毎日の仕事、

職場の良き仲間など、

私たちの周りには失えば

困惑してしまうものが多くあります。
   
働けて幸せですねと病む人の 

しみじみ言いし言葉の重く

友人を病床に見舞った人の短歌です。

改めて周囲を見渡してみると、

生活の中に埋もれて気づかない多くの

「感謝」の存在があるでしょう。

自然と感謝の心は深まり、

感動が大きくなるでしょう。