ツルツルに凍った路上を歩くのに、

苦労をした経験は誰しもあるでしょう。

もし摩擦力がなかったなら、

自動車も進むことはできません。

地面との間に摩擦作用が生じるために、

人や自動車は前進できるのです。

人生にも摩擦はつきものです。

周囲から自分がどう

思われているかを気にしているTさん。

相手が感情を害するくらいなら、

無理にでも同調しておいたほうが

無難と考えます。

自分の意見はほとんど言わず、

いつも本音は隠したままでした。

ところが、

会社勤めを始めた息子が出社拒否症になり、

考え方を改めました。

先輩から

「喧嘩から仲直りというプロセスを

親が子供に見せてこなかったので、

トラブルや嫌なことがあると、

すぐに引き込もってしまう」と言われたのです。

そして

「夫婦が子供の前で意見を存分に言い合って、

喧嘩から仲直りに至る流れを、

しっかりと見せることだよ」と

教えられたのです。

夫婦で「

摩擦を恐れずに話し合う」

ことを始めたところ、

やがて息子は別会社に再就職しました。

摩擦力を恐れない気持ちが、

息子を前進させたのです。