茨城県に創業五十年を迎えた

S工務店があります。

毎年作成される経営方針書の中に、

「17年目を迎えた我が社の親孝行」

と題して、

全社員に対し社長からの

メッセージが記されていました。

1 今年は3月27日から二ヵ月間を

「親孝行月間」とする。

2 この世に誕生してから今日まで、

自分を育ててくださった両親に対し、

心から感謝の思いを込めて、

はっきりとお礼の口上を伝える。

3 親のいない人は夫婦で墓参をする。

4 実践した後、

感想文を5月30日までに提出する。

五十一名の社員全員が感想文を寄せ、

「親孝行感想文集」と

題する冊子が完成しました。

社長はその「あとがき」において、

「我が社で一番大切なことは、

お客様の信用を得て、

頼りにされる人になることである」と

語っています。

お客様に信頼される働きをするには、

まず自身の生命の源に感謝する意識が不可欠です。

親に感謝をしない人間が、

他人の信頼を得られるはずがないのです。