メン・イン・ブラック3
三番煎じの話を3Dで
誤魔化したぐらいの作品だと思っていたら、
これが意外に面白い。
Jが、
40年前に死んでしまったことになる
相棒Kの生命を守るため
タイムトリップするというストーリー自体は、
たしかに新鮮味がない。
ただ、
その見せ方に工夫があり、
随所に小ネタが仕込まれている。
タイムトリップする先が1969年。
黒人による公民権運動の最中に
Jが飛び込むことになったり、
ヒッピーを悪役ボリスに絡めてみたりする。
当時の有名人が、
実はエイリアンが変身していたものや、
MIBのエージェントが
身を隠すための仮の姿だったという設定も楽しい。
アポロの乗組員がKをシカトするシーンには笑う。
また、
当時26歳だったKを42歳の
ジョシュ・ブローリンが演じるには
無理がありそうと思っていたら、
無口でブスッとしたKが若い頃から
老けて見えるという納得のキャスティングだった
過去に遡るというのは、
いろいろな真実が見えてくることでもある。
知ってよかったこともあれば、
知らないまま済ませてしまったほうがよいこともある。
それでも、
前に進むためには
真実に立ち向かわなければならない。
未来が予知できるグリフィンに
「時には苦い真実のほうが、
甘い嘘より優しさがある」というような台詞がある。
この作品をただの三番煎じにしなかった
重要なポイントがここにある。
タイムトリップによって得られるもの。
ラストの予想を超えた真実にはホロッとくる。
コロンビア映画のオープニング・ロゴ、
女神がサングラスをかけていなかったのが残念。