アパレルメーカーの営業部に所属して、

四年目となるKさん。

同じ部署のSさんとは同期ということもあり、

何かと比較をされます。

ある朝、

始業時間になってもSさんが出勤しませんでした。

上司や同僚は

「S君は大丈夫か?」

「体調を崩したのでは?」と心配し、

Kさんに連絡を入れるよう指示しました。

連絡を入れると、

単なる寝坊であることがわかりました。

翌週、

Kさんが通勤で乗車していた電車が、

安全確認のために途中の駅で停車しました。

Kさんは電話で上司に状況を報告しましたが、

電話口で

「本当は寝坊なんじゃないのか」と言われ、

大きなショックを受けました。

Sさんの時は心配し、

自分には疑いの目が向けられたことを先輩に話すと、

「それはそうだ。

日頃の二人の勤務態度を見ていれば妥当だろう」

と言うのです。

先輩は「S君はこの三年間、

無遅刻・無欠勤だ。

対する君は、

遅刻の常習犯だ」と指摘しました。

日頃の言動の積み重ねが、

職場内での人物像を作り上げていることを、

Kさんは痛感したのでした。