今春、

第八十四回全国選抜高校野球大会の開会式において、

宮城県石巻工業高校の

阿部翔人主将が選手宣誓役を引き当てました。

チームメイトと共に作った宣誓文は、

「答えのなき悲しみを受け入れることは、

苦しくて辛いこと」

「苦難を乗り越えることができれば、

その先に必ず大きな幸せが

待っていると信じています」など、

被災者への思いが込められたものでした。

阿部主将の宣誓は、

聴く物に大きな勇気と希望を抱かせるような、

十七歳とは思えない堂々としたものでした。

私たちは時として、

納得のいかない理不尽な

出来事に遭遇します。

聖人と仰がれた孔子でも、

苦難の連続だったといいます。

求道心があるがために、

様々な困難に見舞われる場合があるのです。

しかし避けられない苦難に出合った時には、

理屈抜きで

「よし!」と引き受けて前向きに取り組み、

自らを逞しく育てる糧としていきたいものです。

苦難を乗り越えてこそ、

明日への道が拓くと信じていきましょう。