仕事が思うように進まないE氏は、

気力がまったく高まりません。

最近、身に起こるすべてが楽しくないことばかりだと、

友人に愚痴をこぼしました。

友人は、

「E君はもともと仕事も

勉強もバリバリこなしていただろう。

今の君は、力を出し惜しみしているか、

その出しどころに迷いがあるのではないか」と告げました。

そして、

ある講演会への参加を勧めました。

講演会に出席したE氏が驚いたのは、

講師が呼び出された際に発した

「ハイ」という返事でした。

普段耳にしない、

非常に元気で明るい返事だったのです。

講演後の懇親会の席で、

E氏は講師に「はっきりした返事でしたね」

と声をかけました。

講師は「『ハイ』の返事は、

瞬時に自分の力を出し切る練習になるので、

いざという時のために、

いつも練習をしています」と答えたのです。

自身を振り返ったE氏は、

仕事でも家庭でも、

何十年も元気な返事を

していなかったなと思い至りました。

名前を呼ばれたら元気な

返事をしようと決めたE氏は、

「ハイ」の返事に磨きをかけています。