通勤ラッシュの電車に

乗ることが苦手なY子さん。

過去に満員電車の中で貧血を

起こしたことがあるからです。

そうした事情もあり、

Y子さんはできるだけ早朝の、

空いている時間帯の通勤を心がけていました。

しかしある日、

寝坊をして、

最も混雑している時間帯に

乗らざるを得なくなりました。

Y子さんは観念して駅のホームに到着すると、

予想通りのラッシュの光景が目に入ってきました。

思わず溜息をついたY子さん。

覚悟を決めて、

これからいよいよ電車に乗り込もうとしたその矢先、

列の前方で心温まる光景を目の当たりにしました。

大柄な男性が、

肩を怒らせて電車に飛び込むのではなく、

「ごめんなさい」

「ありがとうございます」と

何度も頭を下げながら乗車していたのです。

これまで、

お互い様という謙虚な心を忘れ、

不満な心持ちで電車に乗っていたY子さん。

男性の姿から、

電車に乗る際の自己の心持ちを反省しました。

以後、苦手意識や不満が消え、

感謝の心で通勤するようになったのです。