普段使用している言葉や慣用句の意味を、

誤解している場合があります。

 単なる間違いですめばよいのですが、

そのために全く異なる意味が相手に伝わり、

思いもよらぬ弊害が出ることもあります。

例えば

「流れに掉さす」という言葉があります。

これは「時流に逆らうこと」ではなく、

「流れに棹をさして水の勢いに乗るように、

時流に乗って物事が好調に進むこと」を言います。

夏目漱石の

「草枕」の冒頭にある

「情に棹させば流される」は、

「自分の感情に逆らって行動すると流されてしまう」ではなく、

「感情のままに動けば自分が流されてしまう」

という意味合いです。

 パソコンが普及し、

辞書や事典から縁が遠のいた人も多いことでしょう。

しかし、

言葉の意味をしっかり理解して使わなければ、

思わぬ誤解を招きます。

 本棚の奥にある辞書などを開き、

言葉の意味を調べ、

日本語を正しく使いましょう。

それが円滑なコミュニケーションの基本です