ALWAYS 三丁目の夕日’64
2作目はまさかのゴジラ出現だったが、
今回は原点に戻って?
模型飛行機によるオープニング。
大通りに出ると、
5年前に比べて車の交通量が遥かに多くなった。
スタンドで100円分しか給油しない
CMのパブリカが登場し、
自家用車時代の幕開けを告げた時代だ。
予告篇で上空から見た
東京タワーの3D画面があり、
もっとゆっくり見たいものだと思っていたら、
山崎監督はしっかり止めて見せてくれる。
目の前に迫る塔の先端に、
思わず手を伸ばしたくなる。
団子っ鼻の0系が斬新で
カッコよく見えた新幹線の開業、
10月10日の東京オリンピック開会式で
青空に5つの輪を描いてみせた
F86セイバーのブルーインパルス。
鈴木オートの居間には
家具調ステレオがあり、
今度はカラーテレビが届く。
「人工頭脳カラーテレビ」
という呼称が懐かしい。
高度成長時代の、
人々の生活の移り変わりを描きつつ、
将来の進路に悩む淳之介や、
ロクちゃんの恋の行方に焦点が当てられる。
ストーリー自体は単純だが、
もはやストーリーを楽しむというよりは、
きっとどこかにある夕日町三丁目に
住む人々の暮らしを垣間見て楽しむ
国民的シリーズに育った。
「寅さん」のように息の長いシリーズになってもらいたい。
そして、
邦画の映像技術の成長を促す担い手としても、
大事なシリーズになった。