営業二課のO氏はかなりの論客で、

課の同僚から一目置かれる存在です。

自主的に様々なセミナーへ出向くなど、

職務に意欲的に取り組んでいます。

今朝の会議でも、

他の課が提案した意見をことごとく論破したO氏。

同僚から「さすがだな」

と称賛を浴び、一人悦に入っていました。

すると、

そこに先輩が

「君は普段から勉強し、

いいところを突いてくるが、

あくまでそれは総論であって各論ではない。

君は具体的にどう思っているのか、

真の意見を聞かせてほしい」

とコメントを加えました。

O氏は言葉に詰まってしまいました。

「時代が悪い。社会が変だ」

といったものの、

その問題を社としてクリアする現実的な案がなかったからです。

昔から「平凡な人間ほど総論を語り、

優秀な人間は各論を語る」

といわれます。

現状のもとで何が可能で何が

不可能なのかという総論を確認し、

それを理解した後に必要不可欠な各論を

起案・実行していくのです。

会議等の議論を実のあるものにするよう、

常に現実性を意識したいものです。