Nさんは塗装会社で働いて

半年になります。

ヤスリやサンドペーパーを用いての、

錆落としや下地処理の仕事が中心でした。

しかし毎日同じ作業の繰り返しで、

次第に不満がたまっていきました。

仕事に楽しみを見いだせず

「つまらない仕事だ」と

ぼやきながら作業をするようになりました。

やがて仕事に身が入らなくなり、

作業が雑になっていったのです。

ある日、

Nさんの一連の姿を見ていた先輩は、

「下地が悪ければ、

いくら良い塗料を塗っても意味がない。

下地処理にどれだけ力を入れるかが、

塗装の仕事の要になるんだぞ」と

下地作業の重要性を教えたのです。 

コツコツとした下地処理の良し悪しが、

最終的な塗装の美しさを

決めることを学んだNさん。

仕事にプライドと責任を

持って打ち込むようになりました。

最終的には華やかに

見える仕事であっても、

そこに至る地道な作業が土台と

なって輝きを増すものです。

人が見ることのない作業こそ大切です。

人知れぬまま通り過ぎていく仕事ほど、

成功につながる道であると信じたいものです。