源氏物語
千年の謎
思った以上の出来。
キャスティングが役にぴったり
ハマっていることが大きい。
話が進めば進むほど
“光源氏の空想の世界”と
“紫式部の現実の世界”の
判別に惑わされてしまう構成もいい。
豪華な十二単や
平安神宮の朱が鮮やかで、
セットとCGの融合も綺麗だ。
しかも邦画で、
登場人物が多い古典を素材にした
割には説明っぽさがない。
いちいち人名などの字幕が入らないのもいい。
源氏を演じる生田斗真は見た目といい
動きといい申し分ない。
真木よう子や田中麗奈といった
女優陣も適材適所の演技で文句なし。
それでもこの映画、
情熱を内に閉じ込めた中谷美紀と、
冷ややかな策謀家と化す
東山紀之によって、
式部の情念が物語のなかに根を
這っていく様がひしひしと語られ、
このふたりが物語の芯を押さえて離さない。
つまり、
この作品の真の主人公は
中谷美紀・紫式部と
東山紀之・菅原道長といえる。
そして真のラストは、
式部が道長邸を訪ね、
旅立ちの別れをするシーンだ。
現に、
音楽もあの場面を高らかに飾っている。
あの後のフィルムは不要だ。
ひょっとして、
監督自身、
そう思っているのではないか?
数多な制約の中で、
式部と道長の別れのシーンに意地を
見せたような気がしてならない。
エンドクレジットの生田斗真は
見栄えしている。
