カーズ2
冒頭はまるで007/
ジェームズ・ボンドを
彷彿させる展開で、
いきなり話に引き込まれる。
しかも英国スパイのマックミサイルは、
あのボンドカー、
アストンマーチンDB5がモデルだ。
きっちりボンドガールも登場する。
事務職のエージェントでただの
連絡係だったホーリーが、
諜報活動の現場に放り込まれる
あたりは本家さながらの展開だ。
音楽はボンド・シリーズというより、
トム・クルーズ&キャメロン・ディアスの
「ナイト&ディ」のように緊張感と
遊び心がミックスしたアレンジで楽しませる。
そんなスパイ活動に巻き込まれるのが、
マックィーンではなく、
ポンコツレッカー車のメーターと
いうところがこの映画の面白いところ。
人間でいえば、トム・クルーズの
ようなハンサムではないメーターを
主役に抜擢して大活躍させる設定が、
この作品を1作目のただの二番煎じにしなかった。
しかも陰謀を企む組織の黒幕が
誰なのか判らないサスペンスの
要素が加わり、
最後まで楽しめる。
主役の座をメーターに譲ったとはいえ、
マックィーンのレース・シーンも満載だ。
とくにワールドカップ第1戦の東京は、
かなり日本文化を研究したとみえて爆笑だ。
誇張するところは誇張しながら、
日本のこころを踏みにじらない配慮がある。
肝心のレース・シーンは
カメラワークが絶妙。
走ってくるクルマに正面から
向かっていく映像はとくに迫力がある。
また、
車種によるエキゾーストノートの違いは、
現実にはありえない
異種間レースの醍醐味が味わえる。
スパイ活動に巻き込まれるメーターと、
レースで世界を転戦するマックィーン、
一見違った道を進むふたりの
接点をうまく織り込んだ脚本が上手い。
別れながらも、
最後は互いの友情を確認し合うお
決まりのエンディングだが
、観終わってスッキリする。
いい一日だったと実感する。









