人はわが鏡

私たちは毎日、

鏡を見ます。

身だしなみを整えるために、

鏡の存在は欠かせません。

鏡は忠実に自分の姿かたちを

映し出してくれるアイテムです。

理容師のＡ氏は数年前、

住まいと店舗を兼ねた

家を新築して独立しました。

会社員の妻とは十分に話し合い、

お互いに納得の上で

開店したのですが、

二年もすると妻の不満が

噴出するようになりました。

困っていた時、

理髪店組合の先輩から聞いた

「自分の姿が人という

鏡を通して映るものだ」

という言葉を思い出しました。

Ａ氏は自分自身も

仕事に精一杯で余裕がなく、

友人らと酒を飲んでは

不満を漏らしていたことに

気がつきました。　

氏はその後、

妻の話を最優先で聞くことに努め、

改善すべき点は改善していったところ、

毎日続いていた妻の愚痴や不満が

ピタッとなくなったのでした。

人という鏡に映る自分の姿は、

その時その場の正直な姿です。

まず自分の姿を変えなければ、

鏡の中に変化は生じません。

自己を磨き高め、

周囲に良い影響を及ぼして

いきたいものです。