X-MEN:
ファースト・ジェネレーション
シリーズ5作目にして
最高傑作の呼び声も高いという本作。
ハハハまた最高傑作だなんて
言い過ぎじゃないの?
と思いつつ鑑賞に臨んだが……
あ、あれ? 本当だ。
人によって意見は違うだろうが、
個人的にはこれ、
最高傑作だ!
圧巻はストーリーの密度!
『ZERO』でも世界大戦や
スリーマイル島が絡む物語に
「おお~」と唸ったが、
今回は更に大きく出て、
『キューバ危機の陰の立役者はミュータントだった!』
という面白すぎるアイデアをズドンと本筋に据え、
そこを軸に若き日の
プロフェッサーX=チャールズと
マグニートー=エリックの
友情と対立を描きつつ、
社会につま弾きにされる
ミュータント達の悲しみ、
彼らの「独りじゃない」という喜び、
更には社会に迎合して
本来の自分を殺すか、
自分の存在に誇りを
持って正直に生きるかという
葛藤まで描いている。
濃い。とにかく密度が濃い。
そして驚くべきは、
『それらの要素全てがひとつも
中途半端に描かれていない』という点。
これは凄い。
チャールズによって怒り以外の
感情を思い出した
エリックの涙は泣きたくなるほど美しい。
そうして二人の友情と
尊敬の念を描けたからこそ、
最後の別れは悲壮感溢れるものとなった。
不気味な容姿を誰かに受け入れてほしいと願う
若きミスティークの葛藤も素晴らしい。
彼女を傷付けたハンクのこの
上なく残酷な一言は、
確実に観客の胸にまで突き刺さったろう。
彼女のそれは、
僕らと全く無縁な感情では無いから。
そうして浮き彫りになるのは、
『他と異なる存在は潰せ』
という社会のむごい側面。
これはシリーズを通して
描かれている部分だが、
ミュータントの存在が明らかに
なった時代をフィーチャーし、
キャラの感情もしっかり描いた事で、
その残酷さがより際立った印象か。
そしてVFX映画としても見せ場は盛り沢山。
ケビン・ベーコン演じる
反則級の能力者とその一味は
強敵として存在感十分。
若きミュータント達の
訓練シーンも楽しい楽しい。
ラストの海上戦や他の
戦闘シーンもかなりの迫力だ。
ひとつ不満点を挙げるなら
アクション演出に『2』の
ような流麗さが欠けてた点だが、
まあ「贅沢言うんじゃありませんッ!」
ってレベル。
過去作とのリンクもばっちりで、
ひょっとすると本作を観てから
過去作を観た方が感動できるかも?
あ、そうそう、
口の悪いあの方もちょっとだけ出てましたよ。









