$鬼瓦権蔵の心の叫び 言葉遊び$鬼瓦権蔵の心の叫び 言葉遊び




告白


「嫌われ松子の一生」や

「パコと魔法の絵本」

といった極彩色世界とは打って変わり、

色があってなさそうな活気のない

気だるい世界を表出している。

これは中島哲也監督がこれまでの

描写術を封印したわけではない。

監督の感性で、

物語が持つべき色を作り上げたら、

こうなったというべきだろう。

ある意味、

ティム・バートンに通ずるところがある。

作家と言える数少ない監督のひとりだと思う。

また、この監督はエンディングに

決して潔さを求めない。

フランス映画のような

尻切れの結末ではないが、

大団円にこだわらないところがある。

原作に沿っているのかもしれないが、

こういう監督の下地があると、

ただの告白に終わらず、

どこに着地するのか分からない

サスペンス的な要素が増大する。

話の展開は、

ほとんど松たか子のひとり芝居といってよく、

とくに冒頭の告白シーンは、

淡々とした長台詞ながら引き込まれる。

この語りの間を使って、

今の学校、

学級崩壊の様子を見せつけるカメラと編集が巧い。

これまでも、

愛する者を突然奪われた復讐劇はあったが、

どちらかというと終盤に来て

実行を回避するのが通例だ。

それは倫理観からくるもので、

観る側もそこに同情や共感を覚えたものだ。

そういう意味で、

この作品には、ある種の驚きがある。

むなしさを超えた驚きがある。

凄い作品ができたものだ。


ペタしてねペタしてねペタしてね
ペタしてねペタしてねペタしてね
ペタしてねペタしてねペタしてね
ペタしてねペタしてねペタしてね
ペタしてねペタしてねペタしてね