恋するベーカリー
離婚という作業はかなりの
エネルギーを要する。
これが通常の再婚ならまだしも、
元の鞘に収まるとなると
並大抵のことではないだろう。
本人同士がよくても、
周りが動揺する場合があるからだ。
本作は、
そんな当事者の心の揺れを描いた作品だ。
考えられるのは、
男はこの映画のように行け行け
ムードになるだろうな、きっと。
対する女性は、
心の葛藤に悩まされるのだと思う。
そして家族は、離婚と再婚、両方に振り回される。
復活するバラ色の恋と、
同じ過ちを犯す危惧とに揺れ動く
女心をメリル・ストリープが好演。
脳天気な元夫を
アレック・ボールドウィンが
愛嬌たっぷりに演じる。
このふたりの間に割って入るのだが、
微妙な立場に終始するマジメな
設計士を目立ち過ぎずに演じた
スティーブ・マーティンも巧い。
実は重くて繊細なテーマを
3人の演技力に預け、
数々の手作り料理が並ぶ明るい
食卓を軸に据えた、
笑いのある娯楽作に仕上げた演出が冴える。
ハンス・ジマーらしからぬ音楽は
ヘイター・ペレイラによるものか?
いずれにせよ、サンタ・バーバラの
美しい風景によく似合う。
ワクワクメール














