きみがぼくを見つけた日
エリック・バナが演じる
ターミネーターばりに素っ裸で
唐突に時間旅行をしては
戻ってくるヘンリーの病気というか、
体質を治そうと、
この作品では多く存在する
どっちが先だよという
ヒントを基に遺伝子学の
博士を見つけ出し治療しようとする
過程が凄く中途半端で
バッサリとカットしちゃったんだろうな。
しかし、重要なシーンには存在するし、
博士を出さないわけにはいかなく、
本来は治療しようとする
シーンがもっと多かったが
存在してもおかしくないように
繋いだという印象が残る。
はっきり言って必要なかった。
監督はフライトプランの
ロベルト・シュヴェンケで
エリック・バナと同様に
少々の不安があったが、
ゴーストの
ブルース・ジョエル・ルービンの
脚本がいいこともあってか
非常に切ない仕上がりで、
大切な人との時間を大事にしようと
思わせてくれるのではないでしょうか。
時間旅行しなくったって突然目の
前から大事な人が消えることはある。
だからこそ後悔しないように
したいと思うだろうが、
でも、逆に離れているから
こそ分かることもあるんだよな。
監督の持ち味はフライトプランでもあった、
ガラスへの痕跡の残し方であろうか。
成長を一気にワンカットか、
ワンカットっぽくか、見せる演出もよかった。
クレア(レイチェル・マクアダムス)は
子供の頃にちょっと老けた
ヘンリーに会っており、
そこから不定期に会ってきた。
なのでヘンリーが始めてクレアに
会った時にはクレアは待ってました状態で
ちょっと若々しいヘンリーに
積極的に向かっていく。
この辺は製作総指揮に
ブラッド・ピットが参加してるから
というわけじゃないだろうが、
ベンジャミン・バトンの雰囲気も感じさせ、
そこからヘンリーが実際に生きてる
時間での恋愛が始まる。
ヘンリーは一緒にいて
欲しい時だろうが、頻繁に吹っ飛ぶし、
クレアは切なく寂しいだろうけど、
吹っ飛んだ先でヘンリーは
意味のある大切な時間を過ごしてもいる。
母親に会うシーンとか、
あの子に会うシーンとか、
とても素敵。
面白いのはタイムトラベル先で
は自分自身に会っちゃいけないとか、
自分を知ってる人に
会って未来を変えちゃいけないとか、
会うことで大変なことになるとか
思っちゃってるけど、
この作品ではそれすらも運命というか、
必要なことになっている。
未来を見てよからぬことを考えようが、
悲劇の未来を見て変えようと努力しようが、
変えようとしても、
何もしなくても、
僕としては未来は変わらず、
どちらにしても未来には
組み込まれていて、
全て一本道なんだろうなと
思っちゃってるところがあるので、
過去で、未来で、どんどん重要人物に
関わっていくこの作品はなんかいい。
もちろん、辻褄を合わせようと
努力してスッキリする作品も好きですが。
この作品のレイチェル・マクアダムスは
超キュートで素敵だけど、
それ以上にいい仕事をしてるのは
子役たちだと思う。
エリック・バナは負けてんじゃないかよと
思ってしまうぐらい、
ホントに子供らしい可愛らしさで、
未来の自分に嫉妬しちゃうところとか、
あの子が抱きついてくるシーンとか
非常によかったです。
ところであの子は
吹っ飛んだ先でどうしてたんだろう。
ヘンリー以上に苦労しただろうな。



