緑濃く、奥深い森で

狐がわなにかかった、

十分な血が足からにじみ

あたりの草むらを

赤く染めた

あまりの痛みに

もがく事も出来ず

そのまま冷たくなってしまった

わなをかけた人間も

その事を忘れていて

狐はわなに挟まれたまま

地面の土に染み込んでいった

雨も手伝って

狐の身体は

すっかり流され

あとには草いきれ

だれもその事を知らなかった

草についた血も

いまは雨に洗われ

緑濃く

森はいつも同じ・・

しっとりと濡れて

さらさらと乾いて・・・

ペタしてねペタしてねペタしてねペタしてね