$鬼瓦権蔵の心の叫び 言葉遊び

蟹工船



今作の大きな問題点は、

これがあの「蟹工船」であるからで、

「カニ缶詰船」とか

「カニ加工船」だったら良かったのだ。

SABU監督の作りだす世界観は、

取り立てて悪いものではない。

でもそこへ名作小説を

ベースに掲げることを、まったく

意に介せない読者層は腹を

立ててしまったんだろうと思う。

折しも、その名作が若者の間で

読破されつつあることから…。

他の名作なんかでも、

こういうのはよくあることだ。

まったく別の視点と解釈で

描きたいのなら、他の題名を

付ければよいところだが(

それに参考原典を添えればねぇ)

それでは興行的にカニかま以下、

となるんだろうか。

まぁ如何せん、今作における

SABU監督の意向は満たされて、

あとは観客がどう思うかを委ねる結果となり…。

残念ながら公開期間はけっこう短かったが…。

支配する側とされる側の

攻防戦を描く本作では、

実はもっと悲惨な現状が

(そこが時代的にモノをいうわけで)

それを思うと、何だ、

こんなの甘いじゃないか!なのだが、

描かれ方はどうにしろ、

言っていることはどちらも同じだ。

今の雇用不安状態に被せて

語っている部分が確かにある。

今度生まれ変わったら、

誰誰さんの家に生まれたい??

想像するんだ、

誰誰さんの家に生まれ金持ちになる自分を。

…このシーンの妄想では、

おふざけが過ぎ腹も立つのだが、

ラストでその誰誰さんの名前と

写真がピタリと重なったとき

ここはただ黙っている場合じゃないんだ!

と怒りが爆発する。

ペタしてねペタしてねペタしてねペタしてねペタしてね