いけちゃんとぼく
原作は「絶対に泣ける本」
なんだそうだ。
この”絶対に”というフレーズを
見るといつも戸惑う。
これを読み終えて泣けなかった人は
どうするんだろう
私などはその、
ごく稀な立場の方
だったりするのが多い。
そしてこの作品、
観終えてからも涙はまったく出なかった。
が、とてもいい話だった…。
泣けるからいい話。
ってのは、ちょっと違うと思うのだ。
ここに出てくる「いけちゃん」なる人物
(物体?)が何なのか、
もっともったいつけて
明かすのかと思いきや、
割とあっさり
分かる仕組みになっている。
まぁそれが分かって以降、
いけちゃんがヨシオに
まとわりついているのがナゼなのか、
(
かなり母親気分で)理解できたかも
違うんだけどね…。
蒼井優の声といけちゃんが
ベストマッチ♪でかなり愛らしい。
まぁマンガだな。
という動きがぷにょっとしてて面白い。
描かれる風景は、
ヨシオの子供時代。
なんてことのない
非常にケンカの絶えない日常である。
少し前に「大阪ハムレット」を
観た時も思ったが、
関西の子供らって、
こんなにケンカばかりしているのか
上映時間の約半分は
ケンカのシーンである。
さらに子供同士のケンカとはいえ、
かなりリアルで痛々しい。
負けずに笑っているところなど、
よしよし♪と思えるけど
いけちゃんの本名は「池子」という。
いけちゃんは、
ヨシオの子供時代を見たかったのだ。
どんな子供で、
どんな暮らしをして、
どうやって成長したか。
想像の賜物になるが、
例えば「守護霊」とか「お守り」とか、
何かしら自分の傍にそっと
寄り添ってくれるものの存在とは
とても心強いものである。
目に見えようが、
話ができようが、
有り得ないと思えばそうで、
いや、いるんだ。
と思えば感じられるものなのだ。
そういう気持ちを胸に、
頑張れるということは幸せだ。
東京弁しか喋らないポリシーとか
子供ならではの価値観を
大切に描いたのが原作なんだろうと、
清々しい気持ちになった。
で…結局、涙は出なかった。
きょうちゃんはイイ!!かなりイケてる。
おもろいし、好きだ。



