あきれるほどの

雨足の速さが

いつしか自分を

遠い記憶まで

運んでくれた

今の自分が見つめる

遠い昔の自分

跳ね上がる雨粒が

じゃれつく子犬の様だ

問いかける事もせず

眼と眼を合わせる自分と自分

考えているよ

今の自分がお守りにしている

自分の歴史は

自分から始まったんだ

全身に叩きつける

無数の雨粒

生きていく事の

スイッチを切ろうとしていた自分を

責めるどころか

受け止めてくれた自分

なんだか安心したよ

自分の歴史はもう少しだけ

スイッチを入れ直して

みようと思う

相変わらず

あきれるほどの

雨足の速さの中で

少しだけ泣いた自分がいた