陽と土の間

木の中は一瞬も休息はなかった

この傷あとは

あの時の雪で

ばりばりともがれた枝のあとで

熱いしょう液で癒しつづけた

嵐でははがれた皮のために

生々しく痛んだ日々もあった

枝は

のっぴきならない内側が

押し出した力

飢えを満たすために

根を太くたくましく

しっかりと地中に張りわたし

雪や嵐に

傷付き捻じ曲げられながら

壮烈に伸び拡がった古木が

今日

朝陽の中で静かに

受けた光をふりこぼして立っている

人は木の痛みを傷むか

無惨のあとを

美しいと愛(め)でて

しばらく立ち止まるだけだ