自分の中には

野獣が一匹居る

憎しみにふるえるとき

嫉妬に身を焼く時

怒りに狂う時

自分の身を食いちぎる

自分は

食いつくされて

舌なめずりをしているそいつと

共に静まり

放心したように在る

その時の野獣が

みしみしと去って行くのを見るのだ

けれども

自分が日常の中で

どうにもならないはげしい感情に

みまわれると

いつでも現れて

自分を食いちぎり

狂気のさた

感情のたかぶりに

美しくも荒れてた

一匹の野獣だ